今回は心理学のひとつである「マズローの欲求段階説」の解説と、心理学「マズローの欲求段階説」のマーケティングやコピーライティングへの応用方法についての解説です。
マーケティングやコピーライティングを考える際に、心理学を取り入れるのはとても有効です。
マズローの欲求段階説は、人間の「欲求」に関する心理学です。
人間は「理性」と「感情」の生き物ですが、理性でいくら「エアコンが壊れたから新しいエアコンを買わなくちゃ」と思っていても、毎日遅くまで残業でクタクタに疲れていたりすると、なかなか行動には移せないのが現実です。
一方で、気温が40度以上もあるような熱帯夜が毎晩のように続いたらどうでしょう?
「エアコンが壊れてて暑くて寝られない!ぐっすり寝たいから今すぐエアコンが欲しい!!」
となって、翌日にはエアコンを買っているに違いありません。
このように、人間の「感情」、特に「欲求」に訴えることは、マーケティングやコピーライティングを考える際にとても有効です。
マズローの欲求段階説は心理学ですが、このようにビジネスだけではなく、教育や子育てなど色々なところで取り入れられていますので、この機会にぜひ、あなたも取り入れてみてください。
マズローの欲求段階説とマーケティングへの応用の動画講義
マズローの欲求段階説とは
マズローの欲求段階説は、アブラハム・マズローという心理学者が説いた説明で、人間の欲求を5段階にわけた考え方です。
マズローの欲求段階説は、上図のピラミッドのようになっていて、ピラミッドの下の段階の欲求が満たされると、上の段階の欲求を満たしたくなるという理論です。
ただ、必ずしも下の段階の欲求が満たされないと上の段階の欲求が出てこないというわけではありません。
下の段階の欲求が満たされてくると、上の段階の欲求をより強く欲するようになるということです。
人間には色々な欲求が混在していますので、その欲求がマズローの欲求5段階説のどの欲求にあたるのか?ということを意識することがビジネスを始め、色々な場面で大切になってきます。
第1段階「生理的欲求」
ピラミッドの図の一番下の段階にある「生理的欲求」は、生死に関わる欲求です。
「お腹が空いたから何か食べたい!」、「たくさん走ったから喉が渇いて死にそうだから水が飲みたい!」といった人間が本来持っている動物的な欲求がこの生理的欲求にあたります。
つまり、生命を維持したいという欲求です。
人間の一番根源的な欲求です。
第2段階「安全欲求」
生理的欲求が満たされると次に出てくるのが「安全欲求」です。
安全欲求は、身の安全を守りたい、安全に暮らしたいという欲求です。
一番わかりやすい例は、雨風をしのぐ安全な家に住みたいという欲求です。
このほかにも、病気の人が早く病気を治して健康に暮らしたいと思う欲求や、借金の返済で苦しんでいる人が借金から解放されたいと思うのも安全欲求になります。
マーケティングやコピーライティングへの応用ですが、たとえば、借金の返済に苦しんでいる「安全欲求」の段階にいる人を見込み客としてビジネスをする場合、
「あなたがこの商品を買えば借金に苦しむことは一生ありません」
と勧めるのは有効な手法だといえます。
第3段階「社会的欲求」
安全欲求が満たされるようになると、次に出てくるのは「社会的欲求」になります。
他者と関わりたい、仲間や友達、恋人が欲しいといった欲求や、または集団に属したいという欲求が社会的欲求です。
お見合いや合コンに行きたいなと思ったり、結婚して家族が欲しいなと思ったりするのが社会的欲求です。
このほかにもサークルや部活に入りたいなと思うのもこの社会的欲求にあたります。
第4段階「承認欲求」
社会的欲求が満たされるようになると今度は「承認欲求」が出てきます。
社会的欲求で関わりをもった他者や社会から認めれたいという欲求が承認欲求です。
もう少しわかりやすくいうと、他の人から羨ましがられたい欲求です。
高級時計が欲しい、高級外車に乗りたい、昇進したいと思うのがこの承認欲求にあたります。
一戸建てのマイホームを持ちたいというのも承認欲求ですね。
マーケティングやコピーライティングへの応用ですが、たとえば、ブランド品をインターネットで販売していくようなビジネスをやる場合は、この「承認欲求」を持っている人たちを対象としていくと成約率は間違いなく上がります。
第5段階「自己実現欲求」
ピラミッドの図の一番上にあった、人間の持つ欲求の中でマズローが一番高次元の欲求としているのが「自己実現欲求」になります。
これはどういった欲求かというと、自分の能力や可能性を発揮して世の中に何かを生み出したいという欲求です。
野球の大谷翔平選手やアイススケートの羽生結弦選手が、新しい記録を打ち立てたいと思うのはこの欲求です。
マズローの欲求段階説の心理学をマーケティングに応用する
マズローの欲求段階説をマーケティングやコピーライティングに応用してビジネスでどのように使っていくのか。
重要なのは、見込み客がどの欲求の段階にいるのかをきちんと把握して、その欲求を満たすような商品を提供していくということです。
たとえば、ビジネスの見込み客の欲求の段階が「生理的欲求」、つまり、「お腹が減って今にも死んでしまいそうだから何か食べたい!!」という欲求の段階にいる場合に、
「社会的欲求」を満たすような恋愛商材のようなものを、「これ、とってもおすすめですよ!!」といくら勧めても、その商品を買ってもらうのは難しいはずです。
見込み客からすると、「今欲しいのはそれじゃない!」ってなりますよね笑
また、たとえば、「起業家育成セミナー」を販売する場合で、その商材の見込み客の欲求段階が「社会的欲求」にある、つまり、「仲間が欲しい」と思っているとします。
その場合、起業家育成セミナーを売り込むときは、「このセミナーに参加すれば、あなたと同じように高い志を持った仲間をつくることができます」といった感じで売り込むのは、ひとつの有効な手法になります。
同じ「起業家育成セミナー」を販売する場合でも、その見込み客の欲求段階が「承認欲求」である場合であれば、「このセミナーには選ばれし者しか参加できません」といった売り込み方をしていくのが一つの有効な手法になります。
このように、あなたのビジネスの見込み客が欲求段階のどの段階にいるのか?ということを把握して、売る商品だけではなくてコピーライティングを柔軟にその見込み客の欲求段階に合わせていくと、商品の成約率がぐんと上がります。
あなたも、ぜひ、マズローの欲求段階説を理解して、あなたのマーケティングやコピーライティングに応用して、見込み客の「欲求」を満たす商品や企画、セールスレターをぜひ作ってみてください。